父のアルバムより(1)

古い写真である。裏に昭和15年/兄と共に/数え21才、
兵隊検査の為豊原(ユジノサハリンスク)に帰省時とある。
左が父で右が12才年上の長兄である。
父は樺太生まれで、12才年上のこの兄さんが中学を出してくれたという。
その後炭鉱に入り炭鉱の技術養成所を出て技術員になっているが、
父はこの兄を敬い終生感謝していた。

父は未熟児で生まれ虚弱であったらしく、徴兵検査も丙種合格で
兵役に就いたのは昭和18年である。
それも終戦まで2年4ヶ月も軍隊にいながら戦地に行く事はなく、
(8月19日には南方に送られるはずだったという^^;)
もっぱら北辺警備で十勝の標津で塹壕掘りで終わったらしい。
中卒であった事や炭鉱の技術員であった事が父の命を助けたのか。

除隊になったのは20年の10月であったが、既に帰る故郷はなかったという(-_-)